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天の川銀河全体は、Emの領域である。

 ポラリス・北極星は太陽系から4090Pmの距離にあります。この先はもうPmの5桁に突入してしまいますので、次のSI接頭語を使いましょう。E:エクサです。 1000Pmが1Emですから、ポラリス・北極星は、4Emの距離にあります。ほぼ400光年です。 スバル・プレヤデス星団もここら辺の距離にあります。約4.2Em リゲルまでは8Em、最も遠い1等星のデネブまでは13Emです。1000光年は9.46Emです。 この先は銀河系内の星雲が観測されています。オリオン大星雲までは12.3Em、バラ星雲までが52Em、かに星雲が68Em、そして、肉眼で見える最遠の星は約100Emまでです。その先には千億個をはるかに超える恒星があるといわれていますが、それらは肉眼では天の川として見えています。さらに、中心部には巨大なブラックホールがあるといわれていて、その裏側がどうなっているのかは観測されていません。 天の川銀河については、私たちがその内部にいるので、全体像がよくわかっていません。最近の観測では、半径は500~1000Em程度で、直径は1000~2000Em程度といわれています。 太陽系は銀河系の中心から250Em程度ところにあるといわれています。 銀河系の近くにある大小マゼラン星雲の直径が140Emで、三角座銀河の直径が560Emです。アンドロメダ銀河の直径は2100Em程度といわれています。 ということで、銀河系内の距離とか、さまざまな銀河の大きさとか、そういうサイズを表す時は、Em:エクサメートルを使うといいわけです。

Pm:ペタメートルは、ご近所の恒星世界

 太陽系の外縁に存在していると予想されているオールトの雲が1500Tmあたりから始まるという話までしました。オールトの雲はその10倍くらいまで広がっているといわれています。ということで、Tmが5桁になってしまうので、次のSI接頭語を使いましょう。P:ペタです。 P:ペタを使えば、オールトの雲は1.5Pmから15Pmあたりまで広がっていると表現できます。 1光年は9.46Pmなので、ほぼその付近ということになります。 ちょっと脱線しますが、今の技術でロケットで出せる最高速は光速の1万分の1に達していません。つまり、1光年進むのに1万年以上かかるということです。1万年続いた文明はないので、人類が太陽系を脱出するのは、ほぼ不可能ということになります。それは当然、他の宇宙生命体でも同じでしょうから、自身の恒星系を脱出するのはほぼ不可能ということになります。ボイジャー1号や2号のように太陽系を脱出する機械は作ることができますが、それのいきつく先を確認することはできないと思われます。ボイジャーは現在1光日付近にあります。1977年に打ち上げられてから47年かかって、やっと光で1日の距離まで来たことになります。 太陽系から最も近い恒星はケンタウルス座α星Cで、その距離は4.246光年といわれています。つまり、恒星までの距離は「光年」で表すのが一般的です。ですが、やはり何万光年、何億光年といわれるとその大きさはピンと来なくなってしまいます。それで、「1光年は9.46Pm」を使って、すべてm単位に変換してみましょう。 ケンタウルス座α星Cまでは40Pm、バーナード星までは56.4Pm、シリウスは81Pm ここから先10光年=94.6Pmに到達しますが、ここまででほんの数個の恒星しかありません。 アルタイルが158Pm、ベガが240Pm、アークトゥルスが347Pm、アルデバランが630Pm 100光年=946Pmに近い、太陽から955Pm離れたところにアルナイルがあります。 さらに、スピカが2362Pm、カノープスが2923Pm、ポラリス・北極星が4090Pm ここら辺までが、Pm4桁前半の星々ということになります。 つまり、ほとんどの1等星と2等星がPm4桁台までの距離にあります。 ということは、目で見える明るい星のほとんどが、Pmの領域にあるということになります。

光年、光月、光日、光時、光分、光秒、そして光の速さ

 前回、天文単位:auの話を少ししましたが、その系列にパーセクがあります。これらの距離の単位はその当時はとても大切なものであったとは思いますが、現在ではさらに遠いところを観測できるようになったので、遠いところまでの距離を表すのには「光年」を使うのが一般的です。 ところが、この「光年」がわかるようでわからないわけです。意味はたいていの人はわかっていると思います。「光が1年間に進む距離」です。ですから、距離=速さ×時間、なので、「光の速さ」×「1年間」で求めることができます。 でも、光の速さが随分と大きいので、それを計算しようなんて思う人は少ないと思います。だいたい、光の速さが秒速約30万キロメートルと、「約」なんていわれると正確なところはわからないし、普通の電卓では計算のしようがありません。 ところが、現在はすごいマシーンが手の中にあります。「スマホ」です。スマホを横にして電卓アプリを使えば、相当の桁数の計算がたちどころにできて、正確に表示できます。 ということで、計算してみます。せっかくなので、光の速さも正確に行きましよう。 光の速さは定義されています。正確に299,792,458m/sです。 これは、「肉球鳴く、西の荒野」と覚えるといいです。 つまり、光で1秒の光秒は、299,792,458mです。約300Mmです。 この値に近いのが月までの距離で384Mm。つまり、月まで光で1秒ちょっとです。 光で1分の光分は、299,792,458×60=17,987,547,480mです。約18Gm 水星までは光で約3分、火星までは光で約6分、地球までは光で約8分20秒 光で1時間の光時は、17,987,547,480×60=1,079,252,848,800mです。約1Tm これは、木星と土星の公転軌道の中間点より少し木星よりくらいです。 光で1日の光日は、1,079,252,848,800×24=25,902,068,371,200mです。約26Tm これは、太陽圏の端くらいです。(太陽風が届く限界) 光月は、25,902,068,371,200×30=777,062,051,136,000mです。約777Tm ひと月は30日で計算しています。777Tmあたりに何かあるのか、観測できていません。 ですが、何となく覚えやすい値だと思います。 光年は、25,902,...

太陽系の外縁部はTmサイズである。

 土星、天王星、海王星の太陽からの距離がGm4桁前半であることまでお話ししました。 つまり、Tm:テラメートルひとけた台です。そこら辺のことはつい最近までよくわかっていなかったのですが、1990年代に入って、観測技術が良くなると、次々と冥王星と同じような天体が見つかったわけです。それで、2006年に冥王星が惑星から準惑星になったわけですが、たくさんの小惑星が存在している海王星の外側はエッジワース・カイパーベルト、略してカイパーベルトといわれています。それが、太陽から5Tmから10Tmの黄道面のあたりです。 その外側にも様々な天体があるようですが、今のところ分離天体のセドナなど、それほど多くは見つかっていないようです。セドナの遠日点が140Tm程度です。 ここら辺については天文単位auを使って太陽からの距離を表すことが多いようです。それはここらへんの天体の距離の測り方が、半年置いた地球から見た天体の方向の違いから三角測量の方法で距離を計算したので、地球と太陽の距離は重要な基準だったわけです。しかし、その当時はなかったSI接頭語が今はあるので、それを使えば天文単位を使わなくても距離はわかりやすく表せます。天文単位は約150Gmです。セドナの遠日点は140Tmなので、天文単位を使わなくても、約千倍近いということがすぐにわかります。 その先は全く想像の域で、1500Tmあたりからオールトの雲というものがあるといわれています。太陽の近くにありながら、惑星や小惑星には育たなかった宇宙のチリが太陽系の外側を球殻上に取り巻いているといわれています。ここまでが太陽系の外縁です。 つまり、土星のあたりからオールトの雲が始まるあたりまでは、Tmの世界ということになります。

世の中の会計や財務は疑似的な千進法になっている。

 私は一般の会社や役所などに勤めたことがないので、よくわかっていなかったのですが、 今の世の中の会計や財務は疑似的な千進法になっていると聞いています。 どういうことかというと、124,000円を124千円と表現したり、23,600,000円を23.6百万円と表現したり、15,380,000,000円を15.38十億円と表現しているというのです。 これは、学校で教えていることとの乖離です。 表記が千進法になっているのですから、それを何とかわかりやすく読もうとしているのはわかりますが、こういうことを放置していていいものでしょうか。 解決策は簡単です。千はk:キロ、百万はM:メガ、十億はG:ギガ、一兆はT:テラと置き換えればいいのです。つまり、万億兆は使わないで、SI接頭語を使えばいいだけです。 124,000円は124キロ円、23,600,000円は23.6メガ円、15,380,000,000は15.38ギガ円と読めばいいので、非常にすっきりすると思います。 124,357,891,563,267などの長い数値をそのまま伝えるためには、 124テラ357ギガ891メガ563キロ267と読めばいいということになります。 この読み方は、SI接頭語の使い方としては邪道ですが、日本語数詞としてこのような使い方を認めればいいだけです。まあ、こんな長い数値を読むということは、まずない話だと思います。 千という数詞は貴重だという記事で述べたように、数値は4桁あればたいていの用は済みます。 ということは、整数部分4桁と小数部分3桁あれば、一つのSI接頭語で用は済むわけです。

太陽系の内側は、Gmで表現すると分かりやすい。

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 太陽系には、太陽と8つの惑星とその衛星、そして多数の小惑星が存在しています。 主なもののサイズや軌道半径をGm単位で表現してみましょう。 これまでに、惑星や惑星系のサイズはMmで表してきたので、Gmサイズの天体は太陽しかありません。といっても、1.4Gm程度で、細かく言うと1392Mm程度だといわれています。木星の10倍程度なので、Mmで表しても差し支えない大きさです。 ところが、惑星の軌道半径はGm一桁のものはありません。 水星でも58Gm、金星は108Gm、地球は150Gm、火星は228Gm、小惑星帯の中にあるケレスは414Gm、木星は779Gm、土星は1433Gm、天王星は2875Gm、海王星は4495Gmくらいです。Gm4桁前半に収まっていますが、天王星と海王星はこの図には出てきません。 ちなみに、光で1時間の距離は約1079Gmで、ほぼ1Tmです。これは覚えやすいので、このサイズの基準として使えると思います。 ということで、太陽系の主要な部分はGmで表現すると分かりやすいと思います。

木星の惑星系をMmを使って表わしてみよう。

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 前回、地球の惑星系について、Mm単位で表して、さらに図に表してみました。 今回は、太陽系の最大の惑星である木星の惑星系はどうなのか見てみましょう。 Mm単位の図でも木星の赤道面での直径は143Mm程度なので、結構大きく見えます。 木星にはたくさんの惑星がありますが、昔から知られている四大惑星を図に示しています。 一番内側のイオの直径は3.6Mm、木星中心から421Mm地点を回っています。 2番目のエウロパの直径は3.1Mm、軌道半径は671Mm 3番目のガニメデの直径は5.3Mm、軌道半径は1070Mm 4番目のカリストの直径は4.8Mm、軌道半径は1883Mm ということで、Mm4桁の2000未満の範囲内にあります。 木星にも輪があることが観測されています。それは、イオの軌道の内側で、92Mmあたりから226Mmあたりまで広がっていると観測されています。 ということで、最大の惑星系もMmで表現すると、その大きさがおおよそ理解できると考えられます。

惑星系はMm:メガメートルの世界である。

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 今回は、円盤状になっている天体を見てみよう。 代表としては太陽系です。太陽を中心にして、8つの惑星と多数の小惑星が、ほぼ円盤状になっています。太陽系は、恒星系の一つといえます。その前にまずは惑星系を見てみましょう。 地球と月も、地球を中心として月が回っています。 それが地球の惑星系ということになります。 さらに、現在では多数の人工衛星が地球の周りをまわっていて、それも含めて地球の惑星系かもしれません。 その姿を以下のような楕円の図に表してみましょう。単位はMmです。 一番外側の楕円の半径が1000になっているので、そこまで1000Mmです。 地球の半径は6.8Mm程度なので、この図では中心の小さな円になっています。 月は直径3.8Mm程度なので、ほぼ点にしか見えません。 地球との距離は平均384Mmなので、図の「月の軌道」当たりを回っています。 静止衛星の高度は36Mm程度なので、中心の小さな円のすぐ外側にある点線がその軌道です。 ちなみに、ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡は、地球から1500Mm離れた太陽の反対側にあるので、結構遠くにあります。SI接頭語の使い方を規定通りにすると、1.5Gmといわなければならないところですが、日本語では、数詞「千」を使って問題ないので、千五百メガメートルといえて便利ですし、月の軌道などと比べることができて直感的な理解も容易です。

千は、貴重な数詞だと思う。

 千は、貴重な数詞だと思います。日本語の数詞は音節が短いという意味でアドバンテージが高いわけですが、4桁目の数詞があるといろいろと良いことがあります。 日本数詞にSI接頭語を導入し、万進法の数詞である、万、億、兆を使わないようにしようと提案しているのが、このブログの目的ですが、「千」という数詞は千進法になったとしてもずっと使っていくのが妥当だと思っています。 日本語の数詞は基本的に合理的にできています。その大きな理由が言いやすさです。手短に言える数詞が多いのです。1音節や2音節のものがほとんどなので、3桁や4桁になっても、読むのに苦労しないわけです。 英語の数詞と比べるとよくわかります。百はhundred:ハンドレッドだから、少なく見積もっても3音節あります。千はthousand:サウザンドだから、これも少なく見積もっても3音節はあります。だから、英語は2桁までの数詞を使って数字を読むことが多いわけです。2024はtwenty twentyfourと読むのはよく耳にすると思います。小数になってもその傾向が強くて、3.14はthree point fourteenと読む人がたくさんいます。日本人としては、この読み方はちょっと違和感があると思います。3桁4桁を正式な方法で読めないというのは、英語の数詞はちょっと不合理で不都合があるのではと思われてしまいます。 数値は有効数値3桁あれば、たいていの用向きは済むと一般的に言われていますが、4桁の数値があった方がいいと思う場面は結構あります。日本語ではあまり苦労しないでその数字を読むことができます。その理由は、百:ひゃくや千:せんが2音節ながら、実質ほぼ1音節とみなせるからです。 人間の実感からしても、1mmと3m程度は一度に把握できる数量なので、4桁前半の数値は必要性を感じる場面はけっこうあると思います。 「千」は日本語数詞だから、SI接頭語と合わせて使っても問題ないわけです。 SI接頭語の使い方のルールとして、二つ以上重ねてはいけないので3キロギガメートルと言ってはいけないが、日本語ならば3千ギガメートルと言っても問題ないのです。 また、4桁の数値からは、その上のSI接頭語に変換するのはけっこう楽だと思います。 たとえば、2,380kmという数量は、2.38Mmと簡単に変換できます。コンマの位置と小数点の位置がそろ...

宇宙の大きさを実感するためにはSI接頭語が最適 その2

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その他の惑星についても、SI接頭語を使ってサイズを見てみましょう。 金星の大きさは地球と同じくらいで、直径は12.1Mm 最大の惑星・木星の直径は142Mmで、地球の11倍くらい 土星はちょっと小さくて、直径120Mm 下の図はMm単位で、いちばん外側が100Mmになっています。 木星と土星が表示されていますが、③は天王星と海王星で、直径51Mmと49Mm ②が、地球と金星で、直径12.8Mmと12.1Mm ①が火星と水星で、直径6.8Mmと5Mm 月はその内側で、直径3.5Mmです。 ということで、惑星やそれらの大きな衛星は、Mm:メガメートルの1けたから3けた程度で表すことができます。

宇宙の大きさを実感するためにはSI接頭語が最適 その1

 宇宙に興味のある方はたくさんいるでしょう。 ところがその大きさを本当に理解している人は少ないと思います。 その理由は、いろいろな単位があって、しかもSI接頭語を適切に使っていないからです。 つまり、何万kmとか、何億kmとか、何万天文単位とか、何万光年とか、何万パーセクとか、それぞれの単位の関係もわからないのに、すべて何万とか何億とか、大きな数量になってしまうので、何が何やらさっぱりわからないわけです。 そこで、国際単位系の基本であるm:メートルとSI接頭語を使って、さまざまな天体の大きさや距離を表してみたいと思います。 宇宙は意外と近いです。国際宇宙ステーションは地表から約400km上空を周回しています。 ロケットならば打ち上げて数分で到達する高度です。 宇宙は近いからといって、kmだけで長さを表そうとすると、数字が大きくなってしまいます。 kmの上は、Mm(メガメートル)です。つまり、1000kmです。 1000kmというと、東京網走、東京種子島の直線距離です。 メートルのもとになった赤道と北極点との距離は、10Mmです。 それで、 地球の半径は約6.4Mm、直径は約13Mm、 月の半径は1.7Mm、直径は3.5Mm 月と地球の平均距離は384Mm、近いときは約360Mm、遠いときは約400Mmです。 同じ単位で表してみると、地球と月の様子がわかってきます。

人間は千倍は実感できるが、1万倍は実感できない。

 なぜ、世界の数詞は千進法が主流なのでしょうか。 万進法を使っているのは、中国と韓国と日本と、中国とかかわりの深いほんの数か国です。 それについて、私は以下のように考えます。 「人間の量感覚は、千倍程度までは実感できるが、万倍は実感できない」 実際の長さで考えてみましょう。 1mmは目の前で観察できます。その10倍の1cmも目の前で観察できます。 さらに10cm=100mmも、1m=1000mmも、目の前で観察できるので、実感できます。 つまり、10倍や100倍や1000倍は、目の前で観察できるのです。そして、体でその大きさを表現することもできます。それは、2mくらいになっても可能だと思います。 ところが、10mとなったらどうでしょう。10mは実感できますか。 何か具体物は思い浮かびますか。 たいていの一般人は、10mを思い浮かべられないし、実感もできないと思います。 だから、1mmと10mがどのくらい違うかといわれても、ピンとこないのです。 0.1mmと1mなら比べられるじゃないかという人がいるかもしれませんが、0.1mmを指の隙間で示すことはほぼ無理です。このくらいと分かっていても、実感しているわけではないのです。実感と想像力は違います。だだし、相互に補完するべき能力です。 大きさの違いを実感できるかできないかは、人間にとってとても大切なことだと思います。 たぶん、昔の中国の優れた文化人は万倍も実感できたのでしょうが、普通の人間の私には無理です。 このことについては賛同されない方もいるとは思いますが、千倍くらいまでは実感できるという一般的な感覚を頭において、次は、宇宙の大きさの話をしてみたいと思います。

学校では4桁区切り、世の中は3桁区切り、これは大問題

 小学校4年生の算数では、大きな数を習います。 そして、教科書には「右から4けたごとに区切るとよみやすいね。」とアドバイスがあり、一部の問題の大きな数には4桁ごとにスペースが挿入されています。 これは、世の中と違います。世の中は3桁区切りです。 学校で教えることと世の中のルールが違うということは、問題です。 このことをそれほど問題視しない方もいると思いますが、私は大問題だと思います。 万億兆を使わないで、キロ、メガ、ギガ、テラを使えば、この問題をクリアすることができます。 たとえば、1234567890000は世の中では1,234,567,890,000と表記します。 それで、銀行員はカンマごとに、千、百万、十億、一兆とチェックして、 一兆二千三百四十五億六千七百八十九万と、読みます。私にとってはすごく大変です。 これをSI接頭語を導入して読めば、 一テラ二百三十四ギガ五百六十七メガ八百九十キロ、となります。 テラギガメガキロとSI接頭語を逆にたどるのはちょっと戸惑いますが、万億兆を使うよりはずっと読みやすくなります。

日本数詞にSI接頭語を導入しよう

 日本語の数詞は、大きな数に対して万進法を採用しています。 しかし、世界の趨勢は千進法です。 国際単位系には、SI接頭語があります。これも、基本は千進法です。 つまり、k:キロは1,000倍で、M:メガは1,000,000倍で、G:ギガは1,000,000,000倍で、T:テラは1,000,000,000,000倍です。 これを、日本数詞で読むと、kは千倍、Mは百万倍、Gは十億倍、Tは一兆倍となります。この数詞の変換はよほど慣れた人でないとむずかしいと思います。たぶん、銀行員とか、会社や役所の会計とか財務の担当者でないと、すんなりとは出来ないでしょう。 当然、その理由は日本数詞が万進法だからです。千進法であるSI接頭語とは一桁ずつのずれが発生します。これは、子供たちにとっては理解のむずかしい内容です。 このような日本数詞の現状に対して、疑問に思われている方はけっこうたくさんいるのではないでしょうか。この現状を変える方法は簡単です。日本数詞の万進法の部分をSI接頭語に置き換えればいいのです。 たとえば、123,456,789は、123メガ456キロ789となります。百と十はそのまま使うので、百二十三メガ四百五十六キロ七百八十九と読むわけです。 当然ですが、初めて接した方にとっては、違和感だらけだと思います。なぜこのような提案をするのかについて、次回から少しずつ説明していきたいと思います。