光年、光月、光日、光時、光分、光秒、そして光の速さ

 前回、天文単位:auの話を少ししましたが、その系列にパーセクがあります。これらの距離の単位はその当時はとても大切なものであったとは思いますが、現在ではさらに遠いところを観測できるようになったので、遠いところまでの距離を表すのには「光年」を使うのが一般的です。

ところが、この「光年」がわかるようでわからないわけです。意味はたいていの人はわかっていると思います。「光が1年間に進む距離」です。ですから、距離=速さ×時間、なので、「光の速さ」×「1年間」で求めることができます。

でも、光の速さが随分と大きいので、それを計算しようなんて思う人は少ないと思います。だいたい、光の速さが秒速約30万キロメートルと、「約」なんていわれると正確なところはわからないし、普通の電卓では計算のしようがありません。

ところが、現在はすごいマシーンが手の中にあります。「スマホ」です。スマホを横にして電卓アプリを使えば、相当の桁数の計算がたちどころにできて、正確に表示できます。

ということで、計算してみます。せっかくなので、光の速さも正確に行きましよう。
光の速さは定義されています。正確に299,792,458m/sです。
これは、「肉球鳴く、西の荒野」と覚えるといいです。

つまり、光で1秒の光秒は、299,792,458mです。約300Mmです。
この値に近いのが月までの距離で384Mm。つまり、月まで光で1秒ちょっとです。

光で1分の光分は、299,792,458×60=17,987,547,480mです。約18Gm
水星までは光で約3分、火星までは光で約6分、地球までは光で約8分20秒

光で1時間の光時は、17,987,547,480×60=1,079,252,848,800mです。約1Tm
これは、木星と土星の公転軌道の中間点より少し木星よりくらいです。

光で1日の光日は、1,079,252,848,800×24=25,902,068,371,200mです。約26Tm
これは、太陽圏の端くらいです。(太陽風が届く限界)

光月は、25,902,068,371,200×30=777,062,051,136,000mです。約777Tm
ひと月は30日で計算しています。777Tmあたりに何かあるのか、観測できていません。
ですが、何となく覚えやすい値だと思います。

光年は、25,902,068,371,200×365.25=9,460,730,472,580,800mです。
天文の1年は、グレゴリオ暦の365.25日を使います。ほぼ恒星年と等しい値です。
つまり、1光年は9.46Pm:ペタメートルとなります。

これらの値は、結構覚えやすい数値になっていると思います。それらを基準にして、他の天体の大きさや天体間の距離を考えると、およその様子がわかるようになり、行きつくまでの時間もおよそ見当がつくようになります。

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