人間は千倍は実感できるが、1万倍は実感できない。

 なぜ、世界の数詞は千進法が主流なのでしょうか。
万進法を使っているのは、中国と韓国と日本と、中国とかかわりの深いほんの数か国です。

それについて、私は以下のように考えます。

「人間の量感覚は、千倍程度までは実感できるが、万倍は実感できない」

実際の長さで考えてみましょう。

1mmは目の前で観察できます。その10倍の1cmも目の前で観察できます。
さらに10cm=100mmも、1m=1000mmも、目の前で観察できるので、実感できます。

つまり、10倍や100倍や1000倍は、目の前で観察できるのです。そして、体でその大きさを表現することもできます。それは、2mくらいになっても可能だと思います。

ところが、10mとなったらどうでしょう。10mは実感できますか。
何か具体物は思い浮かびますか。

たいていの一般人は、10mを思い浮かべられないし、実感もできないと思います。
だから、1mmと10mがどのくらい違うかといわれても、ピンとこないのです。
0.1mmと1mなら比べられるじゃないかという人がいるかもしれませんが、0.1mmを指の隙間で示すことはほぼ無理です。このくらいと分かっていても、実感しているわけではないのです。実感と想像力は違います。だだし、相互に補完するべき能力です。

大きさの違いを実感できるかできないかは、人間にとってとても大切なことだと思います。
たぶん、昔の中国の優れた文化人は万倍も実感できたのでしょうが、普通の人間の私には無理です。

このことについては賛同されない方もいるとは思いますが、千倍くらいまでは実感できるという一般的な感覚を頭において、次は、宇宙の大きさの話をしてみたいと思います。

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