科学と経済と高度技術で、ガラパゴスになるのは避けなければならない。

 日常の生活では、それほど大きな数は扱いません。というよりはできるだけ整数一桁で間に合うように工夫されているわけです。なので、様々な単位が今でも使われています。

長さの単位に限ってみても、日本の寸や尺、英米のインチやフィートは、今でも様々なものに使われています。それは、自分の体の部分でおよそ測定できるということが、とても便利だからだと思います。尺やフィートはほぼ一足ですし、寸やインチはほぼ親指の根元の幅です。私の生活経験から考えると、寸はたぶん、親指の腹の長さではないかと思います。爪の端から端まで親指を回しながら物にあてると、だいたい同じ長さで測定できます。このような尺取り方式で長さを測れる身体由来の単位は、これからも生き続けるでしょう。皆さんご存知でしょうが、握りこぶしの幅はほぼ10cmです。手を伸ばすと握りこぶしの幅は角度にしてほぼ10度です。このように、日常の生活ではおおよその値がわかればことは足りるのです。

しかし、仕事をするとなるとどうでしょう。日常の買い物は数千円程度かもしれませんが、仕事になると数十万、数百万、数千万のお金を扱うのは日常です。建設業や精密加工では、けっこう大きな桁の数字を扱うことがあります。まして、さまざまな科学研究では大きな桁数の数を取り扱わないわけにはいかないのではないかと思います。となると、SI接頭語を使うことに慣れていかなければ、様々な分野で国際的に立ち遅れてしまう心配があります。

当然現在では、ヤードポンド法のアメリカであっても、科学的なデータは国際単位系に従った物を使っています。もちろんSI接頭語を使うので、おおよその値を記載する場合は有効数字3桁または4桁前半で適切なSI接頭語を使っていると思われます。

日本でも、この方式に従って記載し、読めるようにするべきです。歴史上、日本の独自技術や文化を大切にする傾向は悪いとは言いませんが、失敗してしまった経験が積みあがっています。数値の読み方においても、ガラパゴス化は望ましい状況とは言えないと思います。

万億兆も学び、さらにSI接頭語を学ぶということは、実のところ子供たちにとっては相当のストレスになると考えられます。万進法の日本数詞を千進法のSI接頭語に統一すれば、それらの障壁を取り除くことができるのです。

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